日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ハイム(Albert Heim)
はいむ
Albert Heim
(1849―1937)
スイスの地質学者。チューリヒに生まれ、チューリヒおよびベルリン大学で学ぶ。のちチューリヒ大学教授、地質調査所所長となった。スイス、とくにアルプスの地質の研究を行い、アルプスの地質構造解明に指導的役割を果たした。研究の結果、そこに大規模な横倒し褶曲(しゅうきょく)、おしかぶせ断層に伴う大規模なナップ構造があるのをみいだした。この成果は、世界の褶曲山脈の地質構造解明のモデルとなった。息子のアーノルドArnold Heim(1900―1951)などとともに著した『スイスの地質』(1916~1920)は地層分布、地質構造の正確な記述によって今日も重視されている。
[木村敏雄]
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