ノート(英語表記)note

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精選版 日本国語大辞典 「ノート」の意味・読み・例文・類語

ノート

〘名〙
[一] (note)
① (━する) 書きとめること。書きつけておくこと。また、そのもの。
(イ) 人の言ったことばや講義などを筆記すること。また、その筆記したもの。
正岡子規(1908)〈夏目漱石〉「ノートを借りて写すやうな手数をする男でも無かった」
(ロ) 創作などの目的で、資料や案を書きとめておくこと。また、そのもの。覚書。草稿。
※中根重一宛夏目漱石書簡‐明治三五年(1902)三月一五日「日夜読書とノートをとると自己の考を少し宛かくのとを商売に致候」
② 注。注釈。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉女学者「沙翁劇の真実の芝居を見もしないで註釈(ノート)を恃(あて)に講義する人よりは」
③ 音。音調。
※ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉おもかげ「ピアノは踊るが如くに放蕩の楽みを現はす心か、頻(しきり)に細いノオトを繰返すのである」
[二] 「ノートブック」の略。
※此ぬし(1890)〈尾崎紅葉〉六「角帽子目庇高(まびさしだか)に、手帳(ノオト)二三冊小脇に」

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デジタル大辞泉 「ノート」の意味・読み・例文・類語

ノート(note)

[名](スル)
書き留めること。また、書き留めたもの。記録。手記。覚え書き。「ノートをとる」
注解。注釈。「フットノート
ノートブック」「ノートパソコン」の略。
音楽で、音。楽音音調。「ブルーノート
インターネット上で、個人が文章・画像・音声などを公開できる配信サービスの一。また、それを提供する日本の企業。平成26年(2014)サービス開始。
[類語](1控えるめる書き記す書き付ける録する記録するメモする手帳帳面帳簿原簿台帳通い帳大福帳通帳

ノート(Noto)

イタリア南部、シチリア島、シチリア自治州の町。同島南部、イブレイ山地の麓に位置する。17世紀の大地震により大きな被害を受けたが、サンニコロ大聖堂、サンドメニコ聖堂、モンテベルジネ聖堂をはじめ、その後の復興により再建されたシチリア‐バロック様式の建物が多く、同島南東部の八つの町が2002年に「バル‐ディ‐ノートの後期バロック様式の町々」の名称で世界遺産文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ノート」の意味・わかりやすい解説

ノート
notebook

筆記帳の総称。一般には学習用のものを指す。江戸時代,寺子屋では手習草紙と称して,半紙を綴じたものに手習いの練習をしていた。1887年(明治20)ころには,鉛筆で記入する雑記帳または帳面と呼ばれた和紙(更紙)製のものが小学生の学習用に用いられた。大学ノートは,1884年に東京大学前の松屋が販売したものが最初といわれる。しかし当時はまだ洋紙が輸入されておらず,更紙製だった。97年ころになってドイツやイギリスから洋罫紙(フールスキャップ)が輸入され,これを国内で仮綴じしたものが売られるようになった。小学校用も明治末には洋紙のノートへと移行した。第1次世界大戦後には国内で洋紙が作られるようになり,和紙のものは特殊なものを除き姿を消した。昭和初期には,らせん状の針金で綴じたスパイラルノートがフランスから輸入され,単語帳などに使われた。第2次世界大戦中はノートは配給制だったが1948年自由化された。73年にはカラー写真入りの表紙と〈百科記事〉の入った学習帳が売り出された。

 ノートの判型は大正時代以来A5判であったが,現在は小学生用は教科書の大きさにあわせ学用3号(179mm×252mm),大学ノートはB5判が多い。ルースリーフバインダーは,輸入品を参考に,大正初期に四つ穴のものが考案された。1950年国税庁が正式帳簿と認め,また戸籍簿にも採用されたことから,需要が増した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノート」の意味・わかりやすい解説

ノート
Noth, Martin

[生]1902.8.3. ドレスデン
[没]1968.5.30. スベイタ
ドイツの旧約聖書学者。グライフスワルト (1927~28) ,ライプチヒ (28~30) ,ケーニヒスベルク (30~45) ,ボン (45) の各大学旧約聖書学教授を歴任。 A.G.アルトの弟子。主著『イスラエル史』 Geschichte Israels (50) は,周囲の世界との関連で,言語学的,歴史的,地誌的研究を集大成した力作。また伝承史的方法を用いた「モーセ五書」その他の研究でも知られる。注解叢書"Biblischer Kommentar"の編集者。そのほかの著書"Das Buch Josua" (38) ,"Die Gesetze im Pentateuch" (40) ,"Überlieferungsgeschichte des Pentateuch" (48) ,"Das zweite Buch Mose" (59) 。

ノート
Noot, Henri van der

[生]1731.1.7. ブリュッセル
[没]1827.1.12. ストロンベーク
ベルギーの法律家,政治家。 1787年支配者であるオーストリアのヨーゼフ2世の宗教・政治改革に反対して旧来の特権を守る運動を起し,民兵を結成したが,弾圧にあってオランダへ亡命。ブラバント革命が成功すると,87年ブリュッセルへ凱旋,国内で戦った民主派を排除した。この分裂でオーストリア軍が再侵入し,ノートは敗れて亡命した。 96年フランス占領下の総裁政府に投獄され,政治の表面から去った。

ノート
Nott

北欧神話の女神。その名は夜を意味する。初めてヨツンヘイムに生れた巨人ネルビの娘で,色黒で黒い髪をしていた。ナグルファリと結婚し,息子アウズ (宇宙) を得た。次にはアンナルと結婚しヨルズ (大地) という娘が生れた。最後のデリングとの結婚ではダグ (昼) という息子が生れた。彼女はフリムファクシと呼ばれる馬をもっていたが,その馬は毎朝くつわから露を地上に振りまいた。

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デジタル大辞泉プラス 「ノート」の解説

ノート

日産自動車が2005年から製造、販売している乗用車。5ドアの小型ハッチバック。

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世界大百科事典(旧版)内のノートの言及

【鉛筆】より

…おりしも日本の洋紙工業は,鉛筆とまったく軌を一つにして,1900年代から本格的量産体制に入り,10年代には和紙生産量を追い抜いて海外へ輸出するようになり,国内でも輸入洋紙に代わる安価な国産洋紙が豊富に用いられるようになった。学校でも,高価な手すき和紙に代わって安価な洋紙(ザラ紙)とその洋紙をとじ合わせた雑記帳(子ども用ノートブック)が使用されはじめており,この洋紙と筆記具としての鉛筆とが結びつくことにより,子どもの学習はきわめて大きな変貌をとげることになった。低品質の鉛筆は学童用の〈五厘鉛筆〉〈一銭鉛筆〉として,小学校を通じての一本売りにより急速に普及した。…

※「ノート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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