ツリフネソウ(釣船草)(読み)ツリフネソウ(英語表記)Impatiens textori; touch-me-not

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツリフネソウ(釣船草)」の意味・わかりやすい解説

ツリフネソウ(釣船草)
ツリフネソウ
Impatiens textori; touch-me-not

ツリフネソウ科一年草で,山麓湿地谷川のほとりに生える。茎は多汁質で太く,節の部分は紅色を帯びてふくらみ,高さは 50cm内外になる。葉は互生し,長さ5~13cm,幅2~6cmの広披針形で鋸歯があり,その先はとげのようになる。夏に,上部の葉腋から紅紫色の腺毛のある花柄を伸ばし,紅紫色のホラガイのような感じの美しい左右相称の花を数個吊下げる。3個の萼片中1個は大きくふくれ,先は細くなって筒状の距となり渦巻状に巻く。側面に濃い紅紫色の斑点ができる。 蒴果は細長く,熟するとわずかの刺激で裂開し,そのはじける勢いで種子が飛び散る。近縁の種類には,花が黄色で距が巻かないキツリフネ,観賞用に栽培されるホウセンカ (鳳仙花)などがある。

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