スラローム

精選版 日本国語大辞典 「スラローム」の意味・読み・例文・類語

スラローム

〘名〙 (slalom)
スキー競技の一つ。二本ずつ立てられた旗の間を次々に通り抜けてすべり、速さをきそうもの。回転競技
② 蛇行(だこう)状の曲線を描くスキー滑降。〔体育辞典(1928)〕
カヌー競技の一つ。流速毎秒二メートル以上の急流で、八〇〇メートル以内に二〇~二五のゲートを設け、直進・回り込み・後退など指示どおりに漕ぎ進む競技
④ 車の蛇行運転。

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デジタル大辞泉 「スラローム」の意味・読み・例文・類語

スラローム(〈ノルウェー〉slalom)

スキーの回転競技
オートバイ自動車などで、くねくねと左右に曲がるように走行すること。
カヌー競技の一。2本のポールでつるされたゲートを通過して、技術とゴールまでの速さを競うもの。ゲートの数は20前後。上流から下流に通過するダウンゲートと、下流から上流に通過するアップゲートの2種類がある。

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百科事典マイペディア 「スラローム」の意味・わかりやすい解説

スラローム

スキーアルペン種目アルペン競技)の一つで,回転競技のこと。スラロームの名称は,斜面を蛇行(だこう)しておりた時のシュプールが蛇のように見えることから,それをあらわすノルウェー語に由来するものである。今日では大回転(大回転競技)とともに技術系に分類される。競技に使用されるコースは,標高差が男子180〜220m,女子130〜180mで,20〜27度程度の斜面のうち4分の1のみ30度を超すこととされている。したがって,他のアルペン種目に比べて斜度も緩く,滑走距離も短い。しかし,セットされる旗門数は男子が55〜75双旗,女子が45〜60双旗と最も多い。また,2本のポールからなる旗門の幅が4〜6mと狭く,次の旗門との間隔も75cm以上とされるなど厳しい制約がある。そのために選手にはきわめて高度な回転技術と集中力が要求される。競技は異なったコースをそれぞれ1回ずつ滑り,その合計タイムによって順位が決定される。ただし,1回目の滑走中に旗門通過に失敗すると,その地点からゴールまでの滑走は許されず,2回目のスタートもできない。近年は選手の身体がぶつかって倒れてもすぐ復元する可倒式のポールが採用されている。これにともなって,従来のポールをすり抜ける滑りから,腕や臑(すね)でポールをなぎ倒す滑りへと回転技術も変わった。また,こうした滑りに対応して各種プロテクターが工夫されたことにより記録は向上した。しかし,記録の向上は一方で選手が旗門間を正しく通過したかどうかの判定をさらに難しくしている。そのために,ビデオ撮影などの補助手段を利用することによって判定の正確さを保つようにしている。オリンピックワールドカップでは伝統的にオーストリアスイス,フランス,イタリア,北欧,アメリカが強豪を輩出している。日本は1956年のコルチナ・ダンペッツオオリンピック回転の猪谷千春が唯一銀メダルを獲得しており,2006年トリノオリンピックで,皆川健太郎が4位,湯浅直樹が7位と健闘した。スキーの他にカヌー,自動車,水上スキーなどでも,ゲートやパイロンやブイで設定されたコースを連続してターンし,その所要時間を競う種目はスラロームと呼ばれている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スラローム」の意味・わかりやすい解説

スラローム
slalom

カヌー競技の一種。激流の河川に設けられた旗門を,決められた順序と方向どおりにくぐり抜けながらスピードを計測し,いかに無過失で最小時間内に通過できるかを競う。スキーの回転 (スラローム) に由来する。コースの距離は 600~800m。川面に向けて吊り下げられた旗門は 20~30程度で,上流に向かって漕ぎ上がって通過する旗門 (リバースゲート) もいくつか設置される。罰点として,旗門の片方のポールに触れると 10点,両方に触れると 20点,不通過や不正通過には 50点が科せられ,所要タイムをポイントに置き換えた得点と罰点の合計が少ないほうが勝ち。試技は2回。 1972年のミュンヘン・オリンピック競技大会から正式種目として採用。オリンピックでは男子のカヤック1人乗り (シングル) ,カナディアンカヌーの1人乗りと2人乗り (ペア) ,女子のカヤック1人乗りが行なわれる。ほかに男女混合やチームレースもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スラローム」の意味・わかりやすい解説

スラローム
すらろーむ
slalom

スキーのアルペン競技の一種。回転。

[編集部]

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パラグライダー用語辞典 「スラローム」の解説

スラローム

パラグライダーの地上トレーニングのひとつ。指定した場所にパイロンを置き、その外側をライズアップした状態でまわる。ブレークコードの操作をはじめ、体重の入れ方(傾け方)や修正方法などを感じ取る為に効果的な練習方法である。グランドハンドリングの練習方法のひとつ。

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サーフィン用語集 「スラローム」の解説

すらろーむ【スラローム slalom】

カーブを入れながら、連発ターンをしまくること。

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世界大百科事典(旧版)内のスラロームの言及

【カヌー】より

…66年日本体育協会の正式加盟団体となり,82年第37回島根国体から国体の正式競技となった。
[競技]
 カヌー競技にはレーシングracing,スラロームslalom,ワイルド・ウォーターwild water,セーリングsailingなどがある。(1)レーシング 静水でスピードを競う。…

【自動車競走】より

…(a)ヒルクライム 登坂競技で,カーブや急勾配などを含むコースで走行時間を競う。(b)スラローム(ジムカーナ) 駐車場や飛行場にカーブの多い短距離コースを設け,一般実用車で走行時間を競う。(c)ドラッグレース 静止状態から直線4分の1マイル(402.33m)の走行時間を争うスタートダッシュ競走で,制動にはブレーキとパラシュートを併用する。…

【スキー】より

…試技は2回行われ,その合計タイムで順位を競うが,同じコースを2回滑る場合と異なったコースを滑る場合とがある。(3)大回転giant slalom リーゼンスラロームともいう。滑降より大半径のターンを多くし,回転に比べ小半径のターンは少なくする。…

※「スラローム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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