精選版 日本国語大辞典 「ジキル博士とハイド氏」の意味・読み・例文・類語
ジキルはくしとハイドし【ジキル博士とハイド氏】
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イギリスの作家、R・L・スティーブンソンの中編小説。1886年作。高名なジキル博士は、飲むと一片の道徳心ももたぬ凶悪な人間(ハイド氏)に変身する薬を発明する。そもそも善悪二つの性質が1人の人間に共存することが不幸のもとと考える博士は、その片方だけを取り出し、これに肉体を与えたのである。彼は、ハイド氏になっている間は、道徳意識からの完全な解放を味わう。だが回を重ねるうちに、薬を使わないでもハイド氏のほうの姿を常とするようになり、悲惨な最期を遂げる。グロテスクな物語のため、当時の社会に衝撃を与え、あらゆる階層から糾弾を浴びたが、人間の二重性の問題をついた点で、きわめてユニークな作品といえる。
[高見幸郎]
『岩田良吉訳『ジーキル博士とハイド氏』(岩波文庫)』
イギリスの小説家R.L.スティーブンソン作の中編小説。1886年刊。学識・人格ともにすぐれ,人々の尊敬を集めているジキル博士が,自分の発見した薬を飲んで極悪残忍なハイド氏に一変するという,一人の人間の中に宿る善と悪の争いを寓話化した物語。今日では〈ジキルとハイド〉は普通名詞として一般に二重人格を意味するほど有名になっている。
執筆者:小池 滋
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…スウェーデン大司教オラウス・マグヌスOlaus Magnusは,16世紀中葉,プロイセン,リウラント,リトアニア一帯に跋扈(ばつこ)した,これと同種の狼に変身する男たちから住民が受ける損害を,〈自然の狼からこうむる損害より重大である〉と記録している。 近代文学における狼男変身のテーマやイメージは人間のなかにひそむ獣性もしくは劣性の分身の先祖返り的発現として,R.L.スティーブンソンの《ジキル博士とハイド氏》(1886)やB.ストーカーの《吸血鬼ドラキュラ》(1897)などに造形され,《キング・コング》(M.C.クーパー,A.B.シェードザック監督,1933)のような大衆映画の源泉ともなっている。【種村 季弘】。…
… 彼の一生がロマンティックで多彩であったように,その作品は短い生涯にしては驚くほど多産でロマンスの香気あふれるものであった。小説の代表作は《宝島》(1883),《ジキル博士とハイド氏》(1886)であるが,その他《新アラビアン・ナイト》(1882)は今日流行のスリラー小説の先駆ともいうべきもの,《バラントレー家の世嗣》(1889)は故国スコットランドを舞台にした歴史小説である。小説のほかに詩作品,エッセー,伝記(短い吉田松陰伝もある)なども多い。…
※「ジキル博士とハイド氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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