クレジット(英語表記)credit

翻訳|credit

精選版 日本国語大辞典 「クレジット」の意味・読み・例文・類語

クレジット

〘名〙 (credit)
① 信用。信頼。
② 外国の政府や金融機関などから短期、中期の資金を借入れること。また、必要な場合に一定金額の融資を受けることを予約すること。また、その信用。日本では通常、借款と呼んでいる。
③ 掛売りなどの商業上の信用取引。
月賦などの信用販売
※誕生日(1977)〈津村節子〉「夫は最初からダブルベッドには反対で、昌代がクレジットで買ってしまってからも」
⑤ 「クレジットカード」の略。
⑥ 高等学校の授業で取得する単位。
※学生と教養(1936)〈鈴木利貞編〉学生時代の回顧東畑精一〉三「一つの官立高等学校で一ケ年間に認められたクレヂットは」
(イ) (credit line の略) 新聞の外電記事の頭に記載される発信通信社名と受信通信者名のこと。記事の出所と信頼性を明らかにしている。
ストマイつんぼ(1956)〈大原富枝〉「わたしの耳の奥には外電のクレジットが充満していて」
(ロ) (credit title の略) 映画、テレビ番組で冒頭または最後に出るスタッフ、キャストのリスト。
(ハ) スポンサーづきの放送番組で、その提供者名、またその画面。

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デジタル大辞泉 「クレジット」の意味・読み・例文・類語

クレジット(credit)

《信用の意》
国際金融で、短期または中期の借款
信用貸しによる販売または金融。信販・月販・消費者金融など。→販売信用
新聞・書物・写真などに明記する著作権者・原作者などの名前。
クレジットタイトル」の略。
地球温暖化対策の取り組みで、政府間や企業間で取引される、温室効果ガス排出権カーボンクレジット炭素クレジット。「オフセットクレジット
[類語](1負債借金借財借款借り/(2信販付け掛け売り/(4字幕スーパーインポーズテロップキャプションクレジットタイトル

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改訂新版 世界大百科事典 「クレジット」の意味・わかりやすい解説

クレジット
credit

多様な意味で使われる。まず〈信用〉(支払の繰延べ約束)の意味であるが,これについては〈信用〉の項目を参照されたい。政府または銀行などから一定の金額を借り入れる短期もしくは中期の信用のこともいうが,一般に〈貸付け〉ないし〈借款〉と訳される。また,信用販売・割賦販売消費者金融のこともいう。簿記においては,貸方のことをいい(Crと略記),借方(debit,Dr)に対応する。マスコミ関係においては,出版物新聞記事,テレビ番組などに使用された著作物等の出所を明示する言葉をいう。また,新聞,ラジオ,テレビなどの外電記事に付す〈AP共同〉のごとき発信通信社名を明示する言葉のこともいう。
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大学事典 「クレジット」の解説

クレジット

アメリカ合衆国の状況について記述する。時間によって計測される学習単位のこと。「credit hour」とも称する。19世紀後半以降の高等教育の拡大の中で,中等教育と高等教育の円滑な接続,および高等教育機関における学習の管理を標準化するために編み出された。2011年7月に定められた連邦教育省による規定では,1クレジットとは1週間につき教室での学習1時間,教室外での学習2時間に相当する学習量を指す。実験インターンシップ実習等の方法を用いる場合,上記に相当する時間を機関ごとに定める。クレジットは各機関が採用する学期の長さにより異なる。セメスター制の場合,1学期が約15週,クォーター制の場合10~12週であり,学士課程の標準的な修了要件は,セメスター制では約120セメスター単位,クォーター制では約180クォーター単位となる。量的指標に基づいて学生の学習が計測可能となったことで,修業年限によらず,単位を積み上げることで学位に値する能力の修得を示すことができるようになった。また,機関間の学生の移動(転学)が促進された。一方で,学習の内実は単純な時間数で測ることは困難との批判がなされることがある。
著者: 福留東土

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百科事典マイペディア 「クレジット」の意味・わかりやすい解説

クレジット

(1)国際金融用語としては借款。(2)割賦販売信用販売消費者金融など,売手側からの信用の授与に基づく取引。(3)新聞の外電記事などの入手経路を示すために付記される通信社名。(4)出版物,新聞記事,テレビ番組などに使用された著作物等の出所を明示する言葉。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレジット」の意味・わかりやすい解説

クレジット
credit

(1) 国際金融上の用語。外国の政府,銀行その他の金融機関,会社などから資金を借入れたり,将来必要が生じた場合一定の枠内で借入れるための契約を行うこと。主として中期・短期の資金借入れにこの語が用いられ,長期のものは借款 (ローン) と呼ばれることが多い。 (2) 外電記事の冒頭につけるその発信地と提供通信社名など (たとえば「ロンドン発ロイター=共同」のように) 。その記事の著作権者である契約通信社名を確認し,記事の提供を受けたことへの謝意をも表わし,同時にニュースの入手経路を明らかにして記事の信頼性を保証する意味ももつ。 (3) 民間放送でスポンサー名を告知する文字やアナウンスをいう。

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とっさの日本語便利帳 「クレジット」の解説

クレジット

コース修了の際に与えられる単位。所定の単位を修了することで学位が授与されることになる。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクレジットの言及

【信用】より

…ここにいう信用とは倫理的徳目のことではなく,経済学の対象としての社会的関係であり,契約・取引と決済との時間的乖離(かいり)にもとづく債権債務関係を基盤に発生するもので,当事者の信頼を前提にするためこれを信用という。信用は実物信用と貨幣信用に大別される。奈良時代の出挙(すいこ)のような米穀等を内容とするものを実物信用というが,現在ではこれは例外的で,圧倒的大部分は貨幣ないし貨幣類似の購買力をもつものの貸借を内容とする貨幣信用である。…

【信用状】より

…銀行が取引先の依頼に応じて,その信用を補うため第三者に対し一定の保証を与えることを目的として発行する証書をいう。単にクレジットともいわれ,一般にL/Cと略称される。信用状発行銀行は,自己または特定の銀行を支払銀行と定め,発行依頼人の指定する者(信用状の受益者beneficiary)に手形を振り出す権限を与え,あるいはこうして振り出された手形に対する引受け,支払または買取りを特定の銀行に授権する。…

【丸井[株]】より

…その後〈月賦〉のもつイメージが消費者に嫌われ,かつ割賦販売に伴うリスク吸収が難しいため,全般に不振となった。しかし(株)丸井は1960年に月賦の名称を〈クレジット〉と改称,信用調査機関丸井クレジットセンターを設置し,クレジット・カードを発行した。このように近代化を進めるとともに店舗を,〈駅のそば〉というキャッチフレーズどおり,盛場を重点とした展開を行った。…

※「クレジット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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