オートロアール県(読み)オートロアール(英語表記)Haute-Loire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートロアール県」の意味・わかりやすい解説

オートロアール〔県〕
オートロアール
Haute-Loire

フランス中南部,オーベルニュ地域(レジオン)の県。県都ルピュイアンブレマシフサントラル(中央山地)にあり,オーベルニュ地方東端およびブレ地方にまたがる。北部は結晶岩質の台地で,伝統的に生産性の低い多角的農業地帯。ロアール川東側では森林が多い。アリエ川に沿う北西部はリマーニュドブリウド地方といい,豊かな谷底平野で,コムギ,果樹,牧草を栽培する。アリエ川の上流では峡谷が多く,西側はマルジュリッド山脈の結晶岩質高原で,不毛の地が多く過疎地帯である。アリエ川の東側は火山山地のドゥベス地方で,牧畜が主産業。県のほぼ中央,ロアール川とボルヌ川の合流するルピュイアンブレの盆地には火山丘が多く,肥沃な農業地帯を形成し,果樹も多い。同盆地以東はオートロアール県の山岳地帯,メガル(1438m),メザンク(1754m)などの火山がそびえる放牧地帯で,乳牛ヒツジの飼育が盛ん。ルピュイアンブレでは古くから手工業によるレースづくりが行なわれてきたが,今日では機械化されている。モニストロールシュルロアールにはリボン,絹織物の繊維工業,リマーニュドブリウドには小炭鉱もある。面積 4977km2。人口 22万4907(2011推計)。

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