たたき(三和土)(読み)たたき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「たたき(三和土)」の意味・わかりやすい解説

たたき(三和土)
たたき

たたき土(つち)(叩き土、敲き土、三和土(たたき))で仕上げた土間。たたき土は、花崗(かこう)岩、安山岩などの風化した可溶性ケイ酸に富む土で、消石灰と水を加えて練ると硬化する性質をもつ。本来たたきとは、このたたき土に約倍量の石灰を混ぜ、水や灰汁(あく)で練ったものを三寸(約9センチメートル)厚ぐらいに土間に塗り、たたき固めたもののこと。「漆食叩(しっくいたた)き」ともいう。今日では、たたき土はほとんどセメントモルタルコンクリートにかわっている。

 また、石の表面をたたいて細かな跡をつける仕上げ方や、石を磨く場合の基礎工程、あるいは、コンクリートを打ち込む際、柱や壁の型枠の外から作業員が木槌(きづち)でたたく作業をさすこともある。

中村 仁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「たたき(三和土)」の意味・わかりやすい解説

たたき(三和土)【たたき】

赤土適量の石灰,苦汁(にがり)を加えてよく練り,6〜9cmの厚さに敷きならしたたき固めた床仕上げ。耐久力は低いが茶室農家土間に使用される。

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