しし(読み)シシ

デジタル大辞泉 「しし」の意味・読み・例文・類語

しし

[副]しゃくりあげて泣くさま。しくしく。
「―と泣く」〈かげろふ・中〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「しし」の意味・読み・例文・類語

し‐し

感動
① 警蹕(けいひつ)の声。先払いのかけ声。
② 騒々しいのを制止する時にいう声。
③ 動物などを追い払う時に発する語。
④ 人に呼びかける時にいう語。もしもし。→ししもうし

しし

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる) しゃくりあげて泣くさまを表わす語。しくしく。
※蜻蛉(974頃)中「御送りせんとしつれど、『きんぢはよからんときにをこ』とて、おはしましぬ、とて、ししとなて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「しし」の読み・字形・画数・意味

】しし

髪まばら。〔楓小牘、上〕是(ここ)に于(おい)て小侯、六百を賜ふ。覺えず快(すみ)やかにりてち、冠(たくくわん)地にち、老髮たるも、手に握るに暇(いとま)あらざるなり。

字通」の項目を見る

】しし

微賤なもの、つまらぬもの。〔詩、小雅正月として彼に屋り (そくそく)(貧賤)として方(まさ)にり ~(よ)いかな富める人 哀(かな)し此の獨(けいどく)

字通「」の項目を見る

】しし

ふえるさま。〔史記、陳杞世家論賛〕田常、を齊に得て、卒(つひ)に爲に國をて、百世えず。裔(べうえい)として、土を(たも)つ乏しからず。

字通「」の項目を見る

】しし

風や雪などのかそけき音。唐・王建宮詞、一百首、五十五〕詩 冷やかにして江く、獵(臘)にきの時 玉階金瓦、たり

字通「」の項目を見る

】しし

風吹くさま。宋・王禹居、事に感ず、一百六十韻〕詩 嵐、れて鬱鬱たり 風雨、夜たり

字通「」の項目を見る

】しし

長く美しく連なるさま。〔楚辞離騒桂(きんけい)を矯(あ)げて以て(けい)(香草)を(つ)ぎ 胡繩(こじよう)(香草)のたるを索(なは)にす

字通「」の項目を見る

】しし

人をそしる。〔詩、大雅、召旻〕皋皋(かうかう)として 曾(すなは)ち其の(か)けたるを知らず 兢兢(きゃうきゃう)業業 孔(はなは)だ塡(ひさ)しく(やす)からず 我が位孔だ貶(お)つ

字通「」の項目を見る

】しし

つとめはげむ。孜孜(しし)。〔礼記表記〕俛焉(べんえん)として日にするり。斃(たふ)れて后(のち)已(や)む。

字通「」の項目を見る

止】しし

止まる。おちつく。〔詩、小雅、祈父〕胡(なん)ぞ予(われ)を恤(きよく)(憂)に轉じ 止する靡(な)からしむ

字通「」の項目を見る

【緇】しし

黒い髪づつみ。〔儀礼、士冠礼〕緇、廣さ幅に(み)つ。長さ六尺

字通「緇」の項目を見る

志】しし

字通「」の項目を見る

食】しし

たべもの。

字通「」の項目を見る

】しし

植えつけ。

字通「」の項目を見る

】しし

大きい。

字通「」の項目を見る

祉】しし

幸い。

字通「」の項目を見る

【豕】しし

豚の切身。

字通「豕」の項目を見る

【糸】しし

糸くり。

字通「糸」の項目を見る

【死】しし

死骸。

字通「死」の項目を見る

【侈】しし

立派。

字通「侈」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「しし」の意味・わかりやすい解説

しし

肉を意味する古語で、「宍」「肉」の字をあて、食肉や人体の肉をさす。また「獣」の字をあてて、食肉の供給源であったけだものを総称し、なかでもシカとイノシシをさすことが多いが、これは、とくにその肉が好んで食されたことによるものと考えられる。シカは「かのしし」ともいい、イノシシともども「しし」の語と密接な関係があるが、このことは『古語拾遺』(807成立)に、大国主命(おおくにぬしのみこと)が、骨休めとして農民にウシの肉をふるまい、大歳神(おおとしのかみ)の怒りを買う話が伝えられているように、仏教の殺生禁断の教えが日本人の肉食の習慣、とくに家畜の肉を食することを禁じたため、シカやイノシシが重要な食肉の供給源となった結果とみられる。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android